30年度第1回目のJBN(ジャパン・ビルダーズ・ネットワーク)環境委員会へ出席してきました。
このJBN環境委員会とは、工務店が造る建築の性能向上によりローカルにもグローバルにも環境を変えてゆこう、そして全国の工務店へ情報発信しようという委員会であると、私は理解している。
北海道から鹿児島まで、全国から志気高い工務店24社が全国から手弁当で委員会に集まってくる。
また本年度より、委員会以外も会員であればオブザーバーというカタチで、委員会・講習会に参加出来るようになりました。
第1部は、HEMS、Ai、IoT、ECHONET-Lite、AIF認証と工務店としても知らないでは済ませられないメカメカな話し。
LIXIL、Panasonic、河村電器、ノーリツの4社の方々にIoTへの対応など最新の技術情報と開発状況をお話頂いた。
こちらのお話は、住宅の性能に関しては一切関知せず、メカメカの話で終わりました。
私が気になるのはECHONET-Liteという統一技術を国の指導の下行われているが、メーカー間のオリジナルなシステムが先行していて互換関係が無いものがまだ多く、なんとか1本に統一して頂く事を期待したいと思いました。
それから、NHKでやっていた宇宙線によるソフトエラーの対策やセキュリティーに関しても、十分対策してくれよと思いました。
第2部は、北海道立総合研究機構の鈴木 大隆先生による
「今後の省エネ基準等の動向に関して」と題しての講演でした。
そもそも断熱オタクの鈴木先生、結構現在の運用に関してはいろんな問題も含んでいると。
いろんな建築物のエネルギー評価方法があるが、実態はどうなのか、理論上断熱材を2mも入れればどうだ!
でも実態は違う、断熱材だけに依らず、パッシブを取り入れた設計が結構有効で、設計においてチューニングしてお客様に提案する、それは人間がやることなんだよね、エネルギー評価に乗らない、快適性やコストパフォーマンスがあるのだから、それも評価出来るようにしてゆきたいねと言うお話。
また、現在の評価基準では評価出来ない伝統的なもの、無くしてはいけない記憶、これは重要であり
これをどのように快適な空間として提供出来るかも建築屋のしごとである。
エネルギー評価ツールについても、WEBプログラムはブラックボックス化している。
(外皮を計算しないでUA値を出そうとする計算手法は安全率がたくさん掛かっていて、国の施策や評価機関にとっては好都合だが、ユーザーにとっては良いことなのだろうか? そもそも外皮を理解せず基準をクリアすれば良い、これは住宅の構造に関しても同じ、基準法の簡易的な壁量計算をクリアすれば良いだろうと言う意識に似ている。お客様との意識のずれが大きいことに気づいていない。)
※注 ( )内は佐藤の意見であり鈴木先生の話にはありません。
また、ZEH、LCCM住宅を国は推進しようとしているが、なけなしのお金で家を造ろうという人すべてにZEHやIoTを進めてよい物か?。
太陽光発電も含め設備機器は日進月歩、15年、30年後に搭載すれば性能が向上する家となる、今は、将来替えられない住宅の基本性能を優先に考慮し、今必要なこと、なにを優先させなくてはいけないかを提案するユーザーファーストが重要でり、フルスペックにする必要は無いだろうと言うお話。
また、性能向上により1台のエアコンで家全体を快適にすることが出来るようになったが、将来2階部分が使わないようになった場合、2階部分を温度制御するのはエネルギーの無駄使いになってしまうので、階間間の断熱によ普段使わないエリアを断熱エリアから切り離す事も考慮するべき。
これは既存の住宅の改修においても必要な考えである。但し部分断熱は、非断熱エリアに熱が漏れなくなる分、改修前より寒くなるよと言うお話。
国は2020年にやっと住宅の断熱基準を義務化にするが、あくまでも最低基準で全く、環境はよいとは思えない基準であります。
そのため産官学でつくられたHEAT20という指針、これにはG1グレードとG2グレードがあり数値が大きくなると高性能となる、世界レベルにも遜色ない高性能な指標だ。
経験上G1グレードで気密性を向上させて住宅ではエアコン8畳用程度で家まるごと暖めて快適に生活出来るレベルです。
じゃ、G3グレードは造らないの?と言う希望が出てくるのですが、それは設計者のチューニングが必要で基準や目標が変わってしまうと混乱が発生してしまうので今のところ作らないと言う話。
明日、HEAT20の報告会があるが、一日前にそのパワポを拝見させて頂いた。
そうそうサンダーバード3号は宇宙にも行ける超高性能なロケットだったものな。
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