サーモウッドによる木製サッシ工場見学を見学してきました。
「わたしのおうち」でも木製サッシは採用していますが、メーカー自体の信頼性とメンテナンスの在り方に疑問があり、お客様には有ることの情報は提供していたが積極的にはお薦めしていなかった。
しかし、サーモウッドという薬品処理をせず、きわめて腐り難い、木材処理をした材木でサッシを作るメーカーが現れた。
今回、大阪の㈱越井木材工業さんの工場を見学する機会をいただいたので訪問いたしました。
この会社、元々は国鉄の木製枕木や木製電柱などの製造メーカーでその業態は今から40年前まで続いていた。
さすがにその様な製品は現在はニーズもなく、それに取って代わって住宅用木材の防腐・防蟻処理、および製造ががメインの会社です。
そのほかに、自社海外事業所にてマレーシアにてアカシアを植林し、その材料を加工してトラックの荷台の床材として商品としたり。
木材を高温で乾燥させ材木の中に含まれるセルロースを無くしてしまい非常に腐りにくく変形のしにくい商品を製造している。
地産外消として、山間部で伐採された木材をサーモウッド加工して都市部で消費する。
エンジニヤリングウッドという技術で地方と都会を結ぶと言う概念がある。
この考えはサーモウッドのみならず、防腐注入や防火処理にも言える。
====== サーモウッドとグレードについて=====
私がサーモウッドという言葉を知ったのが、今から10年前に取引のある輸入建材やさんからの紹介で、室内の床材に初めて採用した。
その当時プールサイドの床に使っても腐りませんというのが触れ込みで夢のような木材だと驚いた記憶があります。
その当時はフィンランド製しかありませんでした。
実は、サーモウッドで木製サッシを作りますという会社を知り、資料請求したところ工場見学のお誘いを頂きました、サッシも興味があったが何よりサーモウッドがどのように製造・管理されているかに大変興味がありました。
サーモウッドに関しては、検索するとたくさんの情報を得ることがでますが、今回工場を見学して、ネット上ではわからない情報を得ることが出来ました。
下写真の東大農学部弥生講堂は、私の好きなサーモウッドを外装に使った建物です。
まず、サーモウッドとは何?
180℃~230℃程度の高温で極限まで人工乾燥を行った木材です、そうすることにより木材内の腐る成分が改質され非常に腐りにくくなります。
また乾燥収縮による変形が少なくなるというメリットが有ります。
ただし、注意しなければいけないのは極度の乾燥により非常に硬くなりますが、衝撃を与えると脆いという欠点があります、なので構造材には使用できません、また高温で長時間完走させるために燃料費がかかりますなので高価になります。
私が工場見学で知った事実は、一色単にサーモウッドと呼んでは行けないということです、実は製造過程の温度により腐朽度合いのグレードがあることです。
このことは今までの取引先からは、はっきり言って知らされていませんでした。
同じ材種のサーモウッドで色が濃いのと薄いのがあって匂いも違いがあるな程度の認識でどれだけ性能に差があるは考えもできないことでした。
JIS K1571の耐久性試験により製造温度により腐朽性能の違いが確認されています。
210℃程度の処理では期待するサーモウッドの性能はありませんね。
屋外では使用できないT4~~T5クラス、屋外で使用できるD3~~D1+++クラスと使い道によりクラス分けされていることにご注意ください。
デッキ材などはD2クラス以上を選択しなければいけないでしょう。
公共に供するものはD1+++というAQ認証を受けたクラスに加工しなければいけません。
今まで北欧などでサーモウッド加工されたものを使用せざるを得なかったのですが、国内に工場ができ、国内の杉などでサーモウッド加工が可能になり、国産材の利用の幅が広がったといえると思います。
もう一つ、知ることが出来た事実が サザンイエローパインに防腐防蟻処理を行った材料が土
に接していても腐らないし、シロアリにも喰われないって言うこと。
国内4ヵ所の木製ジェットコースターも採用されているっちうこと。
次回は、防腐防蟻処理について書きます。 もっと詳しく知りたい方はこちらをお薦めいたします。 https://www.thermowood.biz/index.html
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